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HIVに感染した後、エイズが発症するまでの流れ

HIVに感染してからエイズ発症までには、数年~20年もの間にわたり症状が出ない潜伏期間(無症候期)があります。HIVに感染したとしてもすぐに発症するという訳ではないので、気づかずに何年も過ごすケースが多いです。治療せずに放置し続けると必ず発症し、エイズ発症後は余命2~3年で死に至ります。

HIVに感染してから発症するまでに、急性期・無症候性キャリア期(無症候期)・エイズ期の3つの段階に分けられます。無症候性キャリア期(無症候期)が続く期間には個人差があり、数ヶ月~20年以上もの大きな幅があります。

HIVに感染すると、2~4週間後にウィルスが血中で急速に増殖して免疫細胞が破壊されます(急性期)。血中のウィルス量が急増すると免疫が反応して、発熱・倦怠感・のどの痛みなどの風邪やインフルエンザによく似た初期症状を発症します。感染初期に起こる発熱などの症状はインフルエンザ様症状と呼ばれ、数日~4週間ほど続いた後に自然に消失します。感染初期に起こる症状は風邪やインフルエンザと間違われることが多く、この時点でHIV感染に気づかない人がほとんどです。この時期は血中のウィルス量が多いので、感染力が高くなります。

血中に抗体がつくられると熱が下がり、数年~十数年に及ぶ無症候性キャリア期(無症候期)に入ります。この期間中は症状が出ませんが、HIVにより免疫細胞が破壊されるので免疫力が低下します。免疫細胞の数が減少して体の免疫力が弱くなると、健康な人であれば問題がないような細菌(常在菌)やウィルスが増殖して感染症(日和見感染症)を発症します。炎症や悪性腫瘍などを発症してエイズ期に入ります。発症後に治療をしなければ、余命2~3年で最終的に死に至ります。

現在は抗HIV薬が開発されており、無症候期に治療を開始することで発症防止が可能です。発症後でも治療を開始して免疫力を回復させることができますが、無症候期に治療を開始した方が発症防止の効果が高くなります。エイズ発症後に治療を開始した場合には、余命が短くなってしまうことが知られています。そのため抗HIV薬を服用して発症防止をはかるためには、早期発見・早期治療が非常に重要です。

早期に治療を開始するためには、早くHIV感染を見つける必要があります。急性期の初期症状では風邪と間違われることが多く、初期症状が全く出ない人も少なくありません。早期発見のためには感染が疑われるような出来事を経験した時は、積極的にHIV感染の検査を受けることが大切です。

HIV検査では血中に含まれるHIVの抗体の有無をチェックしますが、感染初期の段階では抗体が生成されていないので正しい結果が得られません。正しい結果が得られるようにするためには、感染が疑われる出来事が生じてから1~2ヶ月以上が経過してから検査を受ける必要があります。検査結果が判明するまでは、性交渉をしないように注意しましょう。

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