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キスだけでも感染する!梅毒の原因と症状

落ち込んでいる男性

梅毒の原因は、梅毒トレポネーマと呼ばれる病原菌に感染症して体内の臓器や神経を侵すことで症状を発症します。病原菌は血液や性分泌液に多く含まれるので、性行為の際に粘膜の傷口などから侵入して感染をします。性行為以外にも、汚染された血液(輸血)や母子感染によっても他の人に伝染をすることがあります。

梅毒は他の性病と比較して非常に感染力が強いことが知られており、病状に応じて感染経路が変化するという特徴があります。特に感染初期は伝染力が非常に強く、感染部位の皮膚にできるしこりに接触をしたりキスをするだけでもうつる場合があるほどです。

梅毒は無症状の潜伏期と発症を繰り返しながら重症化をするという特徴があり、大きく分けて4つの段階(第1期~第4期)に分けられます。初期の段階で治療を開始すれば短期間で治癒させることができますが、重症化すると運動障害や認知症を発症して最終的に死に至ります。感染後10年以上が経過すると全身の臓器に腫瘍ができたり、神経や脳が侵されて認知症や運動障害を発症します。

病原体に感染してから3~12週間の間に初期症状(第1期)を発症し、感染部位に硬性下疳と呼ばれるしこり(塊)ができます。皮膚の表面であれば硬くなったり膿が出ることがありますが、痛みを感じることがないので気づかずに放置されるケースが多いです。この段階で、股の付け根付近(鼠径部)にあるリンパ節が腫れる場合もあります。治療をしなくてもしこりやリンパ節の腫れは自然に消失し、無症状期に入ります。感染部位にできるしこりから出る膿に触れるだけで、感染する場合があります。

感染してから9週間以上が経過すると、第2期に入ります。第2期では全身のリンパ節が腫れて、全身の皮膚の表面に赤いバラの花に似た発疹が出ます。この発疹はバラ疹と呼ばれ、梅毒特有の症状として知られています。治療をしなくても発疹は1ヶ月ほどで自然に消失しますが、病原体は体内に潜伏し続けます。

第2期までは感染力が非常に強くて感染経路の種類が多いのですが、次の段階(第3期)までの間は不顕性感染と呼ばれる感染力を持たない期間が続きます。第3期の症状を発症するまでの間に、バラ疹が再発するケースがあります。

感染してから3年以上が経過すると第3期に入り、病原菌が皮膚・筋肉・骨などを侵してゴム状の腫瘍(ゴム腫)ができます。この段階まで進むと歯が抜けてしまったり、鼻や耳が腫瘍化して失われる場合があります。10年以上が経過すると第4期に入り、腫瘍や神経の障害が原因で最終的に死に至ります。

第3期以降になると腫瘍や神経障害によって後遺症が残ってしまうので、治療は第2期までに開始する必要があります。第2期までであれば治療期間は4~8週間で、内服薬だけで完治させることが可能です。

女性が梅毒に感染すると、妊娠中に胎児に梅毒が感染したり出産に影響する場合があります。妊娠中の検査で陽性反応が出た場合には、分娩4週間前までに抗菌薬を服用して完治させる必要があります。妊娠中の女性が出産に影響しないようにするためにも、治療は第2期までに済ませておくことが大切です。

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